一般の方々が不動産の売買をしようとするときは、不動産業者に仲介してもらうのが普通だと思います。ただ、絶対に不動産業者の仲介が必要というわけではありません。
不動産業者に依頼すれば、契約に関係するいろいろ複雑・面倒なことを責任をもって行ってくれるので安心できます。ただし、それなりの仲介手数料が発生します。
もし、売買の相手方が、親戚や知人であるなど素性を知った人であればどうでしょう? 売買の条件等を当事者同士でじっくり話し合って、お互いに十分納得したうえで契約ができるのであれば、仲介を入れずに直接売買するほうがいいかも知れません。仲介手数料は決して安い金額ではないので、これを節約できるなら、かなりのメリットになります。実際、親族間で不動産を贈与する場面などでは、不動産業者を入れないことが多いでしょう。
不動産の個人間(直接)売買をするときの注意点は様々ありますが、次の2点には十分ご注意ください。
1 所有権移転登記を忘れない
2 売買代金が適正かどうか
知っている者同士の気軽さから、登記手続という面倒なことは、後回しになりがちです。しかし、不動産の登記は、第三者対抗要件【民法第177条】であり非常に重要なものであるとともに、直ちに所有権移転登記を済ませておかないと、その後、売主・買主それぞれの事情が変化したとき(病気や死亡など)に手続が難しくなってしまいます。
また、親族間で売買する場合には、売買代金が安価になりがちです。しかし、その売買代金が適正価格から著しく低額であるような場合は、一部は贈与されたものとみなされて、贈与税の対象となってしまうかも知れません。
個人間売買・贈与をご検討であれば、ぜひ事前に当事務所までご相談ください。
民法 第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
[令和8年1月]